■AIは能力差を拡大する

AIは民主化ツールではありません。
“能力拡張装置”です。

優秀な人材は、
AIでさらに突き抜けます。

未熟な人材は、
未熟さが拡大します。

つまりこれは、AIを導入した瞬間に
会社の育成力が露呈する、
ということです。

ロードプロファイル
喜多庸元(きた のぶゆき)です
IT企業経営とICT顧問をしています

 

●専門能力が磨かれていないとAIは“薄まる”

AI活用とは、
「入力→出力」と思われがちですが
実際は「仮説→検証→改善」です。

ここで必要なのは
業務の専門性です。

専門性が低いと
AIへの指示が浅くなり、
浅い指示には、AIは浅い答えを返します。

しかも厄介なのは
それっぽい文章になることです。
正しそうに見える。
だから間違いに気づけない。

AIが使えないのではなく、
“使える人材が育っていない”ことが
問題なのです。

 

●AIは基礎力の棚卸しを強制する

AIが使えていない会社の多くは
そもそも業務が言語化されていません。

誰が何を判断し、
何を根拠に動いているのか。
この辺りが暗黙知のままなのです。

するとAIに渡せる“前提”がない
手順も、判断基準も、例外処理もありません。

当然ながら、その結果
AIを入れても現場が回りません。

ある意味、AI導入とは
業務の粗さを可視化する行為でもあるのです。

 

●チャレンジできない組織は止まる

AI活用は一度では成功しません。
小さな試行錯誤の連続です。

しかし、
失敗が許されない組織では
人は安全運転を選びます。

・触らなくなる
・試さなくなる
・形だけが残る

問題はツールそのものではありません。
“挑戦できない空気”が真の問題です。

 

●チャレンジ風土は設計できる

では、どうすれば挑戦が生まれる風土が
培われるのでしょうか?

気合……ではありません。
必要なのは“仕組み”です。

まずは、小さく試せる余白をつくること。

・一業務だけで試す
・成功基準を小さくする
・失敗事例を共有する

そして、仕組みは作るだけでは機能しません。

これを経営陣(決済者)が明確に許可する、
というアクションが必要です。
これだけで空気は一気に変わります。

 

さらに“挑戦そのものを評価する”こと。

成果だけを求めれば
人は安全を選びます。

・試した回数
・改善の提案

こういった、プロセスや
学びのある失敗を認める。
それが風土をつくります。

 

●AI導入が試すもの

専門能力を磨き、
挑戦を設計し、
人の強みを活かす。

AI導入で問われるのは
こういった経営ができているかどうか、です。

冒頭で申し上げたように
AIは“能力拡張装置”です。

何もないところから、
素晴らしい結果を生み出してくれる
魔法の杖ではないのです。

 

AIが当たり前になった時代においても、
人を活かせる組織は伸び、
活かせない組織は育成力の無さが露呈します。

あなたの会社は
AIで強くなりますか?

それとも……。

 

(一社)日本適性力学協会
認定WDコンサルタント
喜多庸元

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