●理念を語る前に、自分に問いかけてほしいこと
年商1億円、IPO、
地域や業界への貢献。
そんな言葉を“ビジョン”として
語る経営者は多いですが、
それ、本当に
あなたの心から出た言葉ですか?
借り物の理念や、
どこかで聞いたような
綺麗なビジョンなら、
正直、“無い方がマシ”です。
社員の目も、あなたの情熱も、
どこか冷めていませんか?
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ロードプロファイル
喜多庸元(きた のぶゆき)です。
IT企業経営とICT顧問をしています。
●経営者の言葉が響かない理由
多くの経営者の方と話す中で感じるのは、
「頑張っているのに手応えがない」
「社員が思ったように動かない」
という空虚さを抱える人が
少なくないことです。
そして、その根本には
「自分の言葉で語られていないビジョン」
があります。
だからこそ、
どれだけ会議で繰り返しても、
社員の心に響かないのです。
●ビジョンが「他人の言葉」になっていないか?
世の中には“正しそうなビジョン”があふれています。
・年商目標や拠点拡大のような数値的ゴール
・「地域貢献」「業界発展」のようなキレイごと
でも、それが
本当に自分の心から出てきたものか?
そう問い直す経営者は、
案外少ないのです。
借り物の言葉では、
どれだけ発信しても空回りします。
むしろ、それが組織の温度を下げる
原因になっているのかもしれません。
●THE VISIONが教えてくれた「ビジョンの本質」
ケン・ブランチャードと
ジェシー・リン・ストーナーの共著
『ザ・ビジョン(原題:Full Steam Ahead!)』は、
“ビジョンは人と組織のエネルギーを束ねる求心力”
だと説きます。
本書が提示するビジョンの三要素は、
次のとおりです。
目的(Purpose):
存在意義。なぜそれをするのか。
価値観(Values):
意思決定の基準。何を大切にして進めるのか。
未来像(Picture of the Future):
具体的に見える将来像。どんな姿を目指すのか。
また、本書は
“目標(ゴール)とビジョンの違い”
も明確にします。
目標は到達点、
ビジョンは“航路を導くコンパス”。
だから、数字だけでは人は動かないのです。
ここで強調されるのは、
ビジョンはゼロから「作る」より、
内側にある価値観と目的を
「見出し、言語化し、共有する」営みだ、
ということ。
言葉を磨く前に、
心の中心を確かめる——
その順番が大切です。
●社員に伝わらないのは、あなた自身がつながっていないから
社員がついてこない、
ビジョンが社内に浸透しない。
そんな悩みは、よく聞きます。
でも本当は「伝え方」よりも前に
やるべきことがあります。
それは、経営者自身が
ビジョンとつながっているか?
ということ。
・言葉に“熱”がない
・話すたびに、自分で違和感を抱いている
・そもそも、自分自身がその未来にワクワクしていない
この状態で「伝える」だけを頑張っても、
空回りするだけです。
●今すぐ試せる「ビジョン再点火」3ステップ(本に基づく)
1.目的を一文で書く:
利益や規模を外して、「誰のどんな不」を解消するために存在するのか。
2.価値観を3つに絞る:
迷ったときの優先順位。実例(採用・投資・顧客対応)で“守れなかったらNO”と言えるか試す。
3.未来像を映像化する:
3年後の一日を物語で描く。顧客・社員・数字・働き方がどう変わっているかを「見える言葉」で。
※ できたら、小さな勝ちと結びつけて検証すること。
月次会議や朝礼でエピソードを共有し、
ビジョンの正しさを“体験”で確かめていきます。
●表面的な理想より、あなたの“内なる声”に従え
もし、あなたが今「虚しさ」や
「違和感」を感じているなら、
それは“誰かのためのビジョン”を
生きているサインかもしれません。
一度、静かに立ち止まって、
自分の中にある“本当の想い”
に耳を傾けてみてください。
先ほどご紹介した『ザ・ビジョン』は、
その旅のコンパスになります。
誰かの期待ではなく、
自分の真ん中から湧き上がるビジョンを、
目的・価値観・未来像で言語化し直す。
そこから、もう一度
“全速前進(Full Steam Ahead!)”が始まります。
(一社)日本適性力学協会
認定WDコンサルタント
喜多庸元
●追伸・経営者へのエール
迷っても大丈夫、
立ち止まる勇気が次の一歩を強くします。
あなたの中のビジョンは、
必ずあなたを待っています。
最初はどんなビジョンでも構いません。
あなた自身とつながることが大切です。
借り物ではなく、自分の言葉で、
今日から一行目を書き始めましょう。
私たちは、その一行目に火を灯すお手伝いをします。
来年2月には、初の試みとなる、
合宿型の起業家・経営者向けプログラム
『ウェルス経営デザインキャンプ』
の開催も決まりました。
様々なプロファイル、
バックグラウンドを持った
講師たちが集まり、
あなたのビジョンと土台を固める
濃密な4日間(3泊4日のプログラムです)を
一緒に作っていきます。
ぜひご参加ください。
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ウェルス経営デザインキャンプの詳細はこちらから
https://jwda.mykajabi.com/wealthdesigncamp
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